日本人配偶者と別居中でも円満な婚姻関係としてビザ更新を成功させるポイント#

日本人配偶者等の在留資格(いわゆる配偶者ビザ)を持つ外国人にとって、配偶者と同居していることは、原則として在留資格維持の必須条件とされています。入出国在留管理庁(入管)は、同居を「婚姻の実体」の最も重要な要素の一つとみなしているためです。

しかし、現実の生活では様々な事情により別居を余儀なくされるケースがあります。別居中であっても、夫婦関係が破綻しておらず「円満な関係」が継続していることを客観的に立証できれば、在留期間の更新が認められる可能性は十分にあります。ここでは、別居中であっても婚姻の継続性を認めさせるための具体的な方法と、審査における重要なポイントについて解説します。

配偶者ビザにおける「同居」の重要性#

まず理解しておくべき前提として、配偶者としての活動を正当な理由なく6ヶ月以上行っていない場合、在留資格の取消対象となるという法的規定が存在します。入管の実務運用において「同居」は夫婦としての協力扶助義務を果たしているかどうかの第一の判断基準です。

別居している事実があるだけで、入管は「偽装結婚ではないか」「離婚協議中ではないか」「婚姻関係が破綻しているのではないか」という疑念を抱きます。したがって、別居中の更新申請においては、同居している夫婦よりも遥かに詳細な立証資料と説明が求められます。

「合理的な理由」がある別居のケース#

入管が別居を認めるのは、そこに「合理的な理由」が存在する場合に限られます。単に「気が合わないから」「自由になりたいから」といった理由は認められず、婚姻の実体がないと判断され不許可になるリスクが高まります。

一般的に認められやすい合理的な理由は以下の通りです。

  1. 単身赴任(仕事の都合): 勤務地が遠方であり、通勤が不可能である場合。
  2. 親の介護: 実家の親の介護が必要であり、配偶者が一時的に実家に戻る必要がある場合。
  3. 子供の教育: 子供の通学事情により、一時的に別の場所に住む必要がある場合。
  4. 病気療養: 特定の医療機関での入院や長期療養が必要な場合。

これらの理由がある場合でも、自動的に許可されるわけではありません。「なぜ家族全員で転居できないのか」という点まで論理的に説明する必要があります。

夫婦喧嘩や冷却期間としての別居の場合#

質問にあるような「円満な関係」として認めさせたいケースの中には、一時的な不仲による「冷却期間」としての別居が含まれることがあります。これは非常にデリケートな状況です。

入管に対し「不仲で別居中」と正直に伝えた場合、婚姻の安定性が欠けていると判断され、通常3年や5年の許可が出るようなケースでも1年に短縮されたり、あるいは「関係修復の見込みなし」として不許可になったりすることがあります。

しかし、関係修復を前提とした一時的な別居であれば、以下の点を証明することで更新の可能性を残せます。

  • 離婚協議や調停の段階ではないこと。
  • 双方が関係修復に向けて話し合いを継続していること。
  • 将来的な同居再開の具体的な目処や計画があること。

婚姻の実体を証明する具体的な証拠資料#

別居中であっても「精神的な繋がり」と「経済的な繋がり」が維持されていることを、客観的な資料で証明することが不可欠です。口頭での説明だけでは不十分です。以下の証拠を可能な限り提出することが推奨されます。

1. 経済的支援の記録(生活費の送金)#

最も強力な証拠の一つです。別居していても、家計を共にしていることを証明します。

  • 銀行振込の明細書(手渡しは証拠に残らないため避けるべきです)。
  • 配偶者名義のクレジットカードの利用明細(家族カードなど)。

2. 連絡を取り合っている記録#

日常的にコミュニケーションがあることを示します。

  • LINEやメッセージアプリの履歴(スクリーンショット)。おはよう・おやすみの挨拶や、子供の写真の共有など、日常的な会話が重要です。
  • 通話履歴。

3. 相互訪問の事実#

完全に断絶しているのではなく、定期的に会っていることを示します。

  • お互いの家を訪問した際の交通機関の領収書(新幹線や飛行機のチケット)。
  • 別居期間中に二人で(あるいは子供を含めて)撮影した日付入りのスナップ写真。

「理由書」の作成における注意点#

別居中の更新申請において最も重要な書類が、申請人または配偶者が作成する「理由書(説明書)」です。所定の様式はありませんが、以下の項目を詳細かつ誠実に記述する必要があります。

  1. 別居に至った経緯と理由: なぜ別居が必要だったのか、合理的な事情を説明します。
  2. 現在の生活状況: 別居中の生活費はどうしているか、どのくらいの頻度で会っているか。
  3. 今後の見通し(同居再開の時期): 「〇〇年〇月頃には同居を再開する予定」など、具体的なマイルストーンを提示します。例えば、「夫の転勤が終了する来年4月」や「関係修復のための話し合いがまとまり次第」といった記述です。

まとめ#

別居中であっても、それが社会通念上妥当な理由に基づき、かつ夫婦としての交流や扶助の実態が継続していれば、ビザの更新は可能です。重要なのは、入管の「偽装結婚ではないか」「破綻しているのではないか」という疑念を晴らすために、具体的かつ客観的な証拠を積み上げることです。隠し事をせず、誠実に状況と修復への意思を説明する姿勢が、審査官の心証を良くする鍵となります。


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