家族滞在ビザを持つ子供の不登校が更新審査に与える影響について#

日本に「家族滞在」の在留資格(ビザ)で滞在しているお子様が、何らかの理由で学校に通えていない「不登校」の状態にある場合、次回のビザ更新時にどのような影響があるのか不安に感じる保護者の方は少なくありません。

結論から申し上げますと、家族滞在ビザにおける子供の不登校は、直ちにビザの更新不許可(取り消し)につながるわけではありませんが、子供の年齢や状況によっては審査に大きな影響を与える可能性があります。また、将来的な他のビザへの変更において不利になるケースもあります。

ここでは、入管法および実務的な審査基準に基づき、不登校が審査に与える具体的な影響と、申請時に留意すべきポイントについて解説します。

家族滞在ビザの本質と「活動内容」#

まず、前提として「家族滞在」という在留資格の法的性質を理解する必要があります。 「留学」ビザの場合、学校に通って勉強することが許可された活動の本体であるため、出席率の低下はビザの取り消しや更新不許可に直結します。

一方で、「家族滞在」ビザの要件は、あくまで「本体者(扶養者)の扶養を受けて生活すること」です。したがって、法律上、学校に通うことは必須の義務として規定されているわけではありません。理論上は、親の扶養下で日常生活を送っていれば、学校に行っていなくても在留資格の該当性は満たしていることになります。

しかし、これは「学校に行かなくても全く問題ない」という意味ではありません。入国管理局は、日本に滞在する外国人の生活状況を総合的に審査します。

年齢による審査の厳しさの違い#

不登校が審査に与える影響は、お子様の年齢によって大きく異なります。

1. 義務教育期間(小・中学生)の場合#

日本の義務教育期間(中学校卒業まで)に相当する年齢の場合、不登校であっても、親と同居し、適切な監護・養育を受けている実態があれば、家族滞在ビザの更新は比較的スムーズに許可される傾向にあります。 この年代においては、学校に行けない理由がいじめや適応障害、言語の壁などであることが多く、入管も人道的な配慮を行うためです。ただし、親が子供を放置(ネグレクト)していないか、日本で健全に育成される環境があるかは見られます。

2. 義務教育終了後(高校生相当年齢以上)の場合#

問題となるのは、義務教育を終えた16歳以上、特に18歳前後のお子様の場合です。 高校生相当の年齢であっても、日本の法律上は教育を受ける義務はありません。しかし、学校にも行かず、就職もしておらず(家族滞在では原則就労不可、資格外活動許可があれば週28時間まで可)、自宅で何もしていない状態が続くと、入管は以下の疑念を抱きます。

  • 「日本に滞在する必要性があるのか?」
  • 「資格外活動(アルバイト)ばかりをしていないか?」
  • 「不良行為などを行っていないか?」

特に、高校を中退または不登校の状態で、アルバイトの稼働時間が長い場合は非常に危険です。「学業を行わず労働に従事している」とみなされれば、家族滞在の趣旨を逸脱していると判断され、更新が厳しくなる可能性があります。

不登校の理由と説明責任#

更新申請において重要なのは、不登校の事実そのものよりも、「なぜ学校に行けないのか」という理由と、「親がその状況をどう管理しているか」という説明です。

単に申請書を出すだけでなく、以下のような事情がある場合は、別途「理由書」を作成して添付することが推奨されます。

  • 健康上の理由: 病気や精神的な不調(適応障害など)がある場合は、医師の診断書を添付します。
  • 環境の理由: 学校でのいじめや、日本語能力不足による授業への不適応がある場合、その経緯と今後の対策(フリースクールへの通学や家庭教師の利用など)を説明します。

入管審査官に対して、「親は子供の状況を把握しており、改善に向けて努力している」「決して放置しているわけではない」という姿勢を示すことが不可欠です。

将来のビザ変更への重大な影響#

現時点での「家族滞在」の更新が許可されたとしても、不登校の記録は将来のキャリアパスに影を落とす可能性があります。

1. 「留学」ビザへの変更#

高校卒業後、大学や専門学校に進学するために「留学」ビザへ変更しようとする際、高校時代の出席率や成績証明書の提出を求められることがあります。ここで著しく出席率が低いと、学習意欲や能力に疑問符がつき、変更が不許可になるリスクがあります。

2. 「定住者」や「永住者」への変更#

将来、子供が独立して日本に定着するために「定住者」ビザへの変更を希望する場合や、家族全員で「永住権」を申請する場合、素行善良要件が問われます。 不登校自体は素行不良ではありませんが、学校に行かずに深夜徘徊をしていたり、補導歴があったりする場合、あるいはアルバイト超過がある場合は、審査で極めて不利になります。

まとめ#

家族滞在ビザを持つ子供が不登校であっても、直ちにビザが更新できなくなるわけではありません。特に義務教育期間中であれば、親の扶養を受けている限り更新は可能です。

しかし、高校生以上の年齢で所属先がない状態は、審査においてネガティブな要素となります。次回の申請時には、不登校の理由を誠実に説明する文書(理由書)を添付し、親として子供の生活を管理・監督していることを客観的に証明することが、許可を得るための重要な鍵となります。


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