高度専門職ポイント計算における「日本語教育機関での修了歴」が加算対象になる条件#

日本の出入国在留管理制度における「高度専門職」のポイント制は、学歴、職歴、年収などの項目ごとにポイントを付与し、合計点数が一定以上(通常は70点または80点)に達した場合に、優遇措置を与える仕組みです。この計算項目の中に「日本語能力」というカテゴリーが存在し、日本語能力試験(JLPT)の合格だけでなく、特定の条件を満たした日本語教育機関での学習歴もポイント加算の対象となります。

本記事では、どのような日本語教育機関での学習が加算対象となるのか、その具体的な条件や認定されるポイント数、そして他の日本語能力項目との関係性について、制度の規定に基づき客観的に解説します。

加算対象となる「日本語教育機関」の定義#

ポイント計算において「日本語教育機関での修了」として認められるためには、単に日本語を教える学校に通っていたというだけでは不十分です。出入国在留管理庁が定める厳格な基準を満たした機関である必要があります。

具体的には、法務大臣が告示をもって定める日本語教育機関、いわゆる**「告示校」**での修了が条件となります。これには主に以下の種類の機関が含まれます。

  1. 法務省告示校(日本語学校など) 法務大臣が官報で告示し、留学生の受け入れが認められている日本語教育機関です。一般的な日本語学校の多くがこれに該当しますが、すべての日本語学校が告示校であるとは限らないため、在籍していた学校が告示校リストに掲載されているかを確認する必要があります。
  2. 大学の留学生別科 日本の大学や短期大学に設置されている留学生別科(Ryugakusei Bekka)で、日本語教育を主たる目的とするコースも対象となります。

「修了」の具体的要件と証明書類#

加算を受けるためには、単に「在籍していた」だけでなく、当該課程を「修了」していることが絶対条件です。中途退学や、在籍期間が終了したものの修了要件(出席率や成績など)を満たせずに除籍となった場合は、ポイントの対象外となります。

修了の定義#

各教育機関が定める修了要件を満たし、卒業証書または修了証書を授与されている必要があります。多くの日本語教育機関では、修了のために一定以上の出席率や定期試験での合格ラインを設けています。

必要となる疎明資料#

出入国在留管理庁へ申請を行う際には、以下の書類を提出して証明する必要があります。

  • 修了証明書(卒業証書)の写し: または、当該機関が発行した修了を証明する文書。
  • 成績証明書等: 場合によっては、学習内容や期間を確認するために求められることがあります。

付与されるポイント数と他項目との関係#

日本語教育機関での修了歴が認められた場合、日本語能力の項目で**「5ポイント」**が付与されます。ここで重要となるのが、日本語能力試験(JLPT)やその他の日本語能力に関する加算との関係性です。

ポイントの重複と上限について#

高度専門職のポイント計算表において、日本語能力に関する項目は、最も高いポイントのみが適用されるのが原則です。それぞれの点数設定は以下のようになっています。

  • 日本語能力試験N1合格(または相当):15ポイント
  • 日本語能力試験N2合格(または相当):10ポイント
  • 日本語教育機関での修了:5ポイント

したがって、もし申請人が日本語能力試験N1に合格している場合は15ポイントが適用され、これに日本語学校修了の5ポイントを足して20ポイントにすることはできません。同様に、N2に合格している場合(10ポイント)も、N2のポイントが優先されるため、日本語学校修了分の5ポイントは計算に含まれません。

この加算項目が有効なケース#

この「5ポイント」が重要になるのは、主に以下のようなケースです。

  1. JLPTを受験していない、またはN2以上に合格していない場合 日本語学校を卒業して日本の大学や専門学校へ進学し、その後就職した場合など、実生活で日本語能力があってもJLPTの資格を持っていないケースがあります。この場合、修了歴によって5ポイントを確保できます。
  2. 70点・80点のボーダーライン上にいる場合 N2やN1を持っていなくても、他の項目(年収や職歴など)でポイントを積み上げ、あと5点あれば基準に達するという状況において、この修了歴が決定的な役割を果たすことがあります。

日本の大学卒業との区別#

混同しやすい点として、特別加算項目の「日本の大学を卒業したこと(または大学院の課程を修了したこと)」による10ポイントがあります。

  • 日本の大学卒業(学位取得): 学歴等のボーナスとして10ポイント加算。
  • 日本語教育機関の修了: 日本語能力として5ポイント加算。

もし、日本の大学に留学して学位を取得しており(10ポイント)、かつJLPT N1を持っている(15ポイント)場合は、これらは異なるカテゴリーであるため両方加算され、合計25ポイントとなります。しかし、「日本語教育機関の修了(5ポイント)」はあくまで「日本語能力」の代替指標としての位置づけであるため、N1やN2との併用ができない点に注意が必要です。

まとめ#

日本語教育機関での修了歴を加算対象とするには、その機関が法務省の告示校であること、そして正規に修了していることが必要です。付与されるポイントは5点であり、JLPT N2以上の資格を持っている場合には加算の意味を持ちませんが、資格未取得者にとっては貴重な加算要素となり得ます。ご自身の経歴がどの区分に該当するかを正確に把握し、適切な疎明資料を準備することが、円滑な審査への第一歩となります。


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