申請審査中にパスポートを更新した場合の入管への対応方法#
日本の出入国在留管理庁(入管)へ在留資格の変更や期間更新などの申請を行っている最中に、所持しているパスポートの有効期限が到来し、更新手続きを行うケースは珍しくありません。特に近年、審査期間が長期化する傾向にあるため、申請時点では有効だったパスポートが、結果が出る前に期限切れとなる事例が増えています。
このような場合、申請人は入管に対して適切な報告と新しい情報の提供を行う必要があります。ここでは、申請審査中にパスポートが新しくなった場合の具体的な手続き方法、提出すべき書類、そして注意点について、客観的な視点から詳細に解説します。
なぜ入管への報告が必要なのか#
まず、なぜ報告が必要なのかという根本的な理由について理解しておくことが重要です。入管は審査において、申請人の身分事項や渡航文書の有効性を厳格に管理しています。
申請時には旧パスポートの情報を提示していますが、審査中にパスポートが変われば、登録されている情報と現在の事実が食い違うことになります。また、審査が完了し、新しい在留カードが交付される際や、パスポートに証印(シール)が貼られる際(特定活動の一部など)に、古いパスポートの情報しかないと、手続きが円滑に進まない恐れがあります。さらに、入管法上の届出義務の観点からも、常に最新の情報を当局に提供しておくことは、在留審査をスムーズに進めるための基本動作といえます。
具体的な提出書類#
パスポートを更新した事実を入管に伝えるためには、以下の書類を準備する必要があります。基本的には「新しいパスポートのコピー」を提出するのですが、単にコピーだけを送付すると、入管側でどの申請案件に関する書類なのかが判別できず、紛失や処理漏れの原因となります。必ず以下のセットを揃えてください。
- 新しいパスポートの顔写真ページのコピー 鮮明にコピーをとってください。氏名、パスポート番号、有効期限がはっきりと読み取れる必要があります。
- 申請受付票(または申請受付票の写し)のコピー 申請時にパスポート等にホッチキス留めされた、あるいは手渡された「申請受付票」のコピーです。ここには重要な「申請番号(受付番号)」が記載されています。
- 追加資料提出書(または送付状・理由書)
任意の様式で構いませんが、以下の項目が記載された表紙(カバーレター)を必ず作成します。
- 日付
- 宛先(申請中の地方出入国在留管理局 御中)
- 申請人の氏名、国籍、生年月日
- 申請番号(必須): 受付票に記載されている番号(例:TOKYO 2024-XXXXXX)
- 件名:「申請中のパスポート更新に関する報告および新パスポート写しの提出について」
- 本文:「申請中(審査中)にパスポートを更新しましたので、新しいパスポートの写しを提出いたします。審査の参考資料としてご査収ください」といった簡潔な文言。
提出方法と手順#
提出方法には大きく分けて「窓口持参」と「郵送」の2つのパターンがあります。また、オンライン申請を行っている場合の対応についても触れます。
1. 郵送による提出(推奨)#
わざわざ入管の窓口へ出向く手間を省くため、一般的には郵送での提出が推奨されます。ただし、普通郵便ではなく、必ず「特定記録郵便」や「簡易書留」、「レターパック」など、追跡・配達記録が残る方法を利用してください。 宛先は、申請書を提出した地方出入国在留管理局の「審査部門」です。申請受付票に担当部門(例:永住審査部門、就労審査部門など)が記載されている場合は、その部門宛に送ります。封筒の表書きには赤字で「追加資料在中(新パスポート写し)」と記載しておくと、庁内での振り分けがスムーズになります。
2. 窓口への持参#
もし、追加資料の提出要請などで入管に行く用事がある場合は、資料提出窓口(文書受付窓口)に直接提出することも可能です。その際も、先述の送付状(カバーレター)をつけて提出することで、受領ミスを防ぐことができます。
3. オンライン申請の場合#
在留申請オンラインシステムを利用して申請している場合、システム上で資料を追加アップロードする機能が利用できることがあります。しかし、任意のタイミングでの追加アップロードが制限されているケースもあるため、その場合は管轄の審査部門へ郵送を行うのが確実です。郵送する際は、オンライン申請の受付番号を明記することを忘れないでください。
報告のタイミングと注意点#
可能な限り速やかに#
新しいパスポートを受け取ったら、可能な限り速やかに入管へコピーを提出してください。審査の最終段階で決定通知(ハガキやメール)が発送される直前などの場合、入れ違いになることもありますが、それでも提出しておく姿勢が重要です。
審査結果が出た後の場合#
万が一、パスポート更新の報告をする前に審査結果(許可のハガキなど)が届いてしまった場合はどうすればよいでしょうか。 この場合は、新しい在留カードを受け取りに行く際に、「古いパスポート」と「新しいパスポート」の両方を持参してください。そして、窓口の担当官に「審査中にパスポートが変わりました」と口頭で伝え、新しいパスポートを提示すれば問題ありません。その場で新しいパスポート情報が確認され、交付手続きが進められます。古いパスポートは穴が開けられた状態(VOID)であっても、申請時の確認用として持参することが望ましいです。
申請の同一性の確保#
名前のスペルなどが変更になった場合(結婚等による氏名変更を含む)は、単なるパスポート更新以上の手続きが必要になる場合があります。パスポートの記載事項に変更が生じた場合は、その旨を詳しく記載した説明書を添付することをお勧めします。
まとめ#
申請審査中にパスポートを更新した場合、入管への報告は必須の手続きと考えて行動するのが安全です。手続き自体は「新しいパスポートのコピー」と「申請番号を記載した送付状」を郵送するだけのシンプルなものです。 このひと手間を惜しまず、正確な情報を当局に提供することで、無用なトラブルや審査の遅延を防ぐことができます。誠実かつ迅速な対応が、安定した在留資格手続きの第一歩となります。